魚礁効果調査データの活用と漁場モニタリング技術の紹介
近年、気候変動の影響により、魚礁を利用する魚種や漁場環境に変化が見られています。
水産庁の「気候変動に対応した漁場整備方策に関するガイドライン」(令和4年6月改訂)においても、継続的なモニタリングの重要性が示されています(第6章 p.90)。
魚礁の耐用年数は30年と長期に及ぶことから、その効果を評価するにあたっては、単年度調査にとどまらない長期的視点に基づく整理が求められます。
本専門部会に所属する魚礁メーカー6社では、各社が過去約30年間に実施してきた魚礁効果調査結果を持ち寄り、データの集約・整理を行いました。
具体的には、魚礁ごとの整理として、同一魚礁に対する追跡調査事例を抽出し、魚礁設置後の魚類蝟集状況の推移の整理を行いました。(→①同一魚礁の追跡調査事例)
また、魚種ごとの整理として、イサキやキジハタなどの暖海性魚類を対象に、各年の確認状況を都道府県単位で整理し、分布状況の把握を行いました。(→②暖海性魚類(イサキ・キジハタ)の確認状況整理結果)
あわせて、魚礁効果調査や漁場環境の把握に活用されている各種モニタリング技術について整理しました。
計量魚探調査、ROV調査等を対象に、目的に応じた調査手法についての特徴をまとめ、今後の調査計画検討の参考となる情報を紹介しています。(→③漁場のモニタリング技術の紹介)
本資料は、気候変動に対応した漁場整備計画の検討を行う際の基礎資料としての活用を想定しています。持続的な漁場利用に向けた検討の参考となれば幸いです。
① 同一魚礁の追跡調査事例
- 季節変動の影響を考慮し、各事例とも同一季節に実施された調査結果を対象としています。
- 各調査結果の概要では、蝟集魚種は以下の区分で表示しています。
- ・赤文字:当該魚礁の調査履歴の中で新たに確認された魚種
- ・青文字:尾数の増加が確認された魚種
- ・薄い灰色背景:「気候変動に対応した漁場整備方策に関するガイドライン」(水産庁 漁港漁場整備部、令和4年6月改訂)p.104 に記載の対象魚5魚種(イサキ、キジハタ、スジアラ、マコガレイ、ヤリイカ)
※ 海域区分と都道府県の対応関係は、水産庁「気候変動に対応した漁場整備方策に関するガイドライン」に掲載の対象表に基づいています。
北海道:北海道
日本海北区:青森(日本海側)、秋田、山形、新潟、富山、石川
太平洋北区:青森(太平洋側)、岩手、宮城、福島、茨城
太平洋中区:千葉、東京、神奈川、静岡、愛知、三重
日本海西区:福井、京都、兵庫(日本海側)、鳥取、島根、山口(日本海側)
瀬戸内海区:大阪、兵庫(瀬戸内海側)、岡山、広島、山口(瀬戸内海側)、香川、愛媛、大分
太平洋南区:和歌山、徳島、高知、宮崎
東シナ海区:福岡、佐賀、長崎、熊本、鹿児島、沖縄
② 暖海性魚類(イサキ・キジハタ)の確認状況整理結果
- 魚礁効果調査データを基に、暖海性魚類の確認状況を都道府県別に整理した結果です。
- 現時点ではイサキおよびキジハタを対象としていますが、今後、調査結果の蓄積に応じて対象魚種の追加や内容の更新を行う予定です。
③ 漁場のモニタリング技術の紹介
- 魚礁の効果調査や漁場環境の把握に活用されている、主なモニタリング技術について整理しました。
- 調査手法の変遷を概説するとともに、計量魚探(曳航式・定点)、ROV調査等の各手法について紹介しています。
| 資料名 |
pdf |
| 気候変動に対応した漁場整備に係るモニタリング手法の紹介 |
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