異形ブロック専門部会


概要

近年、漁港・漁村・海岸においての自然の猛威が特に目立つこととなっています。 沿岸漁場における水産資源の維持・増大への対応や、また、最近とみに高まってきた自然環境の保全、多様化するニーズへの対応、 更には豊かな海を再生し、水産資源の持続的な利用を図るため自然との共生等、水産基盤整備事業を推進するためのさまざまな課題があります。

このような状況において異形消波ブロックは、反射波の低減効果や波や流れに対する安定性に優れ、 国民の生命・財産を守るための国土保全の役割をしているばかりではなく、ブロックの形状からできる空隙やブロックの表面を利用しての、 海藻やサンゴ等の着生基盤や魚介類の産卵・育成・摂餌・幼稚子魚の隠れ場としての機能をも備えており、 海洋生態系の多様性の維持・増進に貢献しています。 また、これらの生物の活動やエアレーションによる水質浄化機能も有しているなど、異形消波ブロックは多大な可能性をもっています。 当専門部会では、自然環境の保全と創出及び水際線の利用・リサイクル・コスト縮減等を念頭において新しい利用方法を考えています。


代表的な研究成果
フロンティアキューブ

フロンティアキューブは、湧昇流発生構造物の造成を効率的、経済的に推進するため、新たに研究開発したブロックです。当研究会・人工湧昇流マウンド礁用コンクリートブロックの開発共同研究グループへお問い合わせください。


津波越流に対する防波堤腹付マウンド被覆ブロックの所要質量算定マニュアル

津波による越流が生じる防波堤の被覆ブロックの所要質量は三井ら(2013)の式で算定されます。このマニュアルでは三井らの式を用いた設計計算例と各種異形ブロックの安定数Nを取りまとめました。


異形ブロックを用いた漁港漁場施設等の設計計算例集

異形ブロックを用いた漁港、漁場、海岸保全施設の設計に関する技術基準を集約し、具体的な条件設定に基づく設計例を掲載した冊子を取り纏めました。資料、または付録として、異形ブロックを用いた新工法の提案や、設計実務に必要な各ブロックの各種性能値を掲載しています。


被覆ブロックのイスバッシュ数評価のための水理模型実験マニュアル

津波の流れに対する被覆ブロックの設計においては、イスバッシュ式を用いてブロックの所要質量が算定されます。 この所要質量算定において必要となる、ブロック固有のイスバッシュ数を適切かつ統一的に評価するための水理模型実験マニュアルを作成しました。


津波の流れに対する被覆ブロックのイスバッシュ数について(模型実験報告)

「被覆ブロックのイスバッシュ数評価のための水理模型実験マニュアル」に則った模型実験結果に基づいて、各種被覆ブロックのイスバッシュ数の算定図を作成しました。


「漁港・漁場の施設の設計参考図書(2023年版)」において示された津波流れに対する被覆ブロックの所要質量算定式における係数 x について

設計参考図書の改訂において、津波流れに対する被覆ブロックの新しい所要質量算定式が示されました。この新しい算定式で必要となる各種被覆ブロックの「係数x」を水理実験結果に基づきとりまとめました。

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